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RunMatch > コラム > 江口美玲 100mH U18日本新
陸上ニュース2026年10月25日

「タイマーを見たらまさか」予選から0秒23短縮——
江口美玲、100mH 13秒06のU18日本新【2026年】

2026年10月24日、三重・三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場で行われた第20回U18陸上競技大会のU18女子100mハードル決勝(U18規格)。東海大相模高3年の江口美玲が13秒06(+0.5)で優勝し、2024年に福田花奏が同じ伊勢で出した13秒09を0秒03更新するU18日本新記録・大会新記録を打ち立てました。予選の13秒29から一気に0秒23短縮。しかも決勝には、その従来記録保持者の福田も出場していました。七種競技のインターハイ女王が秋の3大会を連勝で締めくくった一戦を、公式記録と本人のコメントから読み解きます。

この記事でわかること

1U18女子100mH決勝の結果——従来記録保持者も走ったレース
2U20日本選手権・国スポ・U18大会と続いた江口美玲の「秋の3連勝」
3予選13秒29から決勝13秒06へ、0秒23縮められた理由(考察)
4高校女子ハードル界と、大学で目指す「二刀流」
13.06
江口美玲の優勝タイム
2026/10/24 決勝(+0.5)U18日本新
−0.03
従来のU18日本記録との差
福田花奏 13.09(2024年)
−0.23
予選からの短縮幅
予選 13.29(+0.3)
公式記録

U18女子100mH 決勝(A決勝・+0.5)全8人と従来のU18日本記録

従来のU18日本記録(福田花奏・2024年)13.091位 江口美玲(東海大相模高3・神奈川)13.062位 藤田紗季(敦賀高2・福井)13.343位 福田花奏(滝川高・兵庫)13.354位 三好美羽(暁の星女高・広島)13.415位 今村好花(長崎日大高・長崎)13.446位 加藤未来(白鴎大足利高・栃木)13.457位 渡邉結愛(東海大相模高・神奈川)13.518位 田中知優(京都橘高・京都)13.54

※バーが短いほど速い記録(差を見やすくするため12秒95付近を起点に表示)。U18規格はハードル高76.2cm・インターバル8.5m。出典:第20回U18/第57回U16陸上競技大会 公式リザルト、日本陸上競技連盟「U18日本記録」(2026年10月21日現在)

選手データ

江口美玲 2026年秋の100mH(単独種目)

日付大会記録(風)
10月3日U20日本選手権 決勝13.27(+1.7)優勝・大会新
10月16日あおもり国スポ 少年女子共通 決勝13.31(+0.2)優勝
10月24日U18大会 予選(U18規格)13.29(+0.3)組1着
10月24日U18大会 決勝(U18規格)13.06(+0.5)U18日本新

※U20日本選手権はシニアと同じ高さ83.8cmのハードル、U18大会は76.2cmのU18規格で実施。規格が異なるためタイムは単純比較できません。出典:第42回U20日本選手権・第20回U18大会 公式リザルト、月刊陸上競技(月陸Online、2026年10月)

目次

  1. 決勝の結果——従来記録保持者も走ったレース
  2. 肉離れの春から「秋の3連勝」へ——江口美玲の歩み
  3. なぜ予選から0秒23も縮められたのか(考察)
  4. 高校女子ハードル界への意味と「二刀流」の未来図
  5. 一般ランナーへのメッセージ
  6. よくある質問

①決勝の結果——従来記録保持者も走ったレース

U18陸上競技大会は、日本陸上競技連盟が主催する18歳未満の全国大会です。2026年は10月23日〜25日の3日間、三重県伊勢市で開かれました。女子100mHは「U18規格」と呼ばれる、高さ76.2cm・インターバル8.5mのハードルで実施されます。

大会2日目の10月24日、江口は予選4組を13秒29(+0.3)で1着通過。夕方の決勝では6レーンに入りました。月刊陸上競技によると、スタートはやり直しとなり、2回目の号砲で出たレースは中盤まで横一線。7台目付近から江口が抜け出し、終盤でライバルを突き放しました。タイムは13秒06(+0.5)。公式リザルトには「NYR(U18日本記録)」「GR(大会記録)」の2つが記されています。

2位は高校記録保持者の藤田紗季(敦賀高2・福井)で13秒34。月刊陸上競技によれば、これもU18日本歴代7位にあたる好記録です。そして3位に入ったのが福田花奏(滝川高・兵庫)の13秒35。福田は、2024年10月20日に同じ伊勢のU18大会で、当時中学生(神河中)ながら13秒09を出した従来のU18日本記録保持者でした(日本陸連「U18日本記録」)。2年前に記録が生まれた同じ競技場、同じ大会で、その本人が走る決勝の中で記録が塗り替えられたことになります。

レース後、江口は次のように話しています。

「13秒2とか1とかなんだろうと思っていたので、タイマーを見たら0台でまさかという感じでした」出典:月刊陸上競技(月陸Online)2026/10/24

POINT

13秒06は追い風0.5mの公認記録。2位とは0秒28差で、ほかの7人がそろって13秒3〜5台に収まる中、ひとりだけ13秒0台に入りました。

②肉離れの春から「秋の3連勝」へ——江口美玲の歩み

江口の本職は、100mH・走高跳・砲丸投・200m・走幅跳・やり投・800mの7種目で得点を競う七種競技です。2年生だった2025年夏のインターハイで優勝。3年生の2026年は5月のU20アジア選手権で2日目にハムストリングスを痛めて途中棄権しましたが、南関東大会を制して全国へ進み、8月の滋賀インターハイで5447点(高校歴代3位)をマークして2連覇を果たしました(月刊陸上競技)。

秋からは単独種目の100mHに挑戦します。10月3日のU20日本選手権では、シニアと同じ83.8cmのハードルで13秒27(+1.7)の大会新・高校歴代2位で優勝。10月16日のあおもり国スポ少年女子共通100mHも13秒31(+0.2)で制し、今回のU18大会で3大会連続の優勝となりました。いずれのレースにも高校記録保持者の藤田が出場しており、そのすべてで江口が先着しています(公式リザルト・月刊陸上競技)。

本人は、苦しかった前半シーズンをこう振り返っています。

「前半シーズンで肉離れをしてしまって、最初は輝けませんでした。そのぶん、秋の大会に全部回ってきてくれて本当に良かったと思います」出典:月刊陸上競技(月陸Online)2026/10/24

③なぜ予選から0秒23も縮められたのか(考察)

予選(+0.3)と決勝(+0.5)は風の条件がほぼ同じで、それでいて0秒23という大きな差がつきました。ここからは、公式リザルトと報道された事実を踏まえた筆者の考察です。

01

フライング疑惑の後も「1台目から突っ込む」と決めていた

江口は1回目のスタートで「少し動いてしまってフライングしてしまったかなと思って、少し焦った」と明かしつつ、2回目に向けて「しっかり1台目から突っ込んでいかないといけない」と気持ちを切らさなかったと話しています(月刊陸上競技)。公式リザルトのリアクションタイムは予選0.158秒、決勝0.166秒で、決勝のほうがわずかに遅い数字です。それでも本人は「周りの選手と同じくらいで入れた」と語っており、スタートで慎重になりながらも1台目への攻めを緩めなかったことが、序盤で遅れなかった要因と見られます。

02

7台目からの抜け出し——混成で鍛えたスピード持久力

レースは中盤まで横一線で、7台目付近から江口が抜け出しました(月刊陸上競技)。本人も「得意の後半」で「自分の強みをそのままぶつけました」と話しています。2025年のインターハイ七種競技では200mで全体トップだったと報じられており(月陸Online)、混成で培ったスプリント力と持久力が、ハードル間のリズムを最後まで落とさない後半の強さにつながっていると考えられます。U18規格はハードルが76.2cmと低く、高さよりも走りの速さが記録に直結しやすいことも追い風になったと見られます。

03

3週間で3レース——試合ごとに上がった調子

江口は10月3日、16日、24日と3週間で3つの全国大会を走り、すべて優勝しました。本人が「秋の大会に全部回ってきてくれて」と話すように、春に負傷で走れなかったぶん、秋に試合を重ねながら状態を上げていったと見られます。高校記録保持者の藤田と3度続けて同じレースを走った経験も、決勝で慌てずに自分の走りをする助けになったのかもしれません。

※記録・風速・リアクションタイムは第20回U18大会 公式リザルトより。レース展開・本人コメントは月刊陸上競技(月陸Online、2026/10/24)より。

④高校女子ハードル界への意味と「二刀流」の未来図

今回の決勝には、高校記録保持者の藤田、従来のU18日本記録保持者の福田、そして七種競技女王の江口がそろいました。上位2〜3位も13秒3台で、2位の藤田はU18日本歴代7位。トップ層の厚さがあったからこそ、記録が動くレースになったといえます。決勝7位にはチームメイトで後輩の渡邉結愛(東海大相模高)も入っており、フィニッシュ後は2人で喜び合う姿が報じられました(月刊陸上競技)。

シニアでは、2026年9月の名古屋アジア大会で福部真子が金、中島ひとみが銀を獲得したばかり。その次の世代でも記録が次々と更新されています。江口は来季、大学へ進みます。将来像について本人はこう語りました。

「七種で上を目指していきたいですが、そのためにはハードルはこれでは通用しません。二刀流というかどっちもできる選手になりたいです」出典:月刊陸上競技(月陸Online)2026/10/24

⑤一般ランナーへのメッセージ

春のケガで思うように走れなかった選手が、秋に3大会連続で優勝し、最後に日本記録を塗り替えました。調子が戻らない時期があっても、走り続けることで状態は上がっていきます。そして、毎回同じレースに強いライバルがいたことも、記録を引き出す力になりました。市民ランナーも、一緒に走る仲間がいると、ペースを引き上げ合い、続ける力が自然と湧いてきます。

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よくある質問

Q. U18陸上競技大会とはどんな大会ですか?

A. 日本陸上競技連盟が主催する、18歳未満の選手による全国大会です。同時にU16大会も行われます。2026年の第20回大会は10月23日〜25日に三重・三重交通Gスポーツの杜伊勢陸上競技場で開催されました。

Q. 「U18規格」の100mHとは?

A. ハードルの高さを76.2cm、インターバルを8.5mにした規格です。一般・U20女子の100mHはハードルの高さが83.8cmのため、U18規格の記録とは別に扱われます。

Q. 従来のU18日本記録は誰が持っていましたか?

A. 福田花奏選手が2024年10月20日、同じ伊勢でのU18大会で出した13秒09です(日本陸連「U18日本記録」)。福田選手は今回の決勝にも出場し、13秒35で3位でした。

Q. 「大会記録(GR)」と「U18日本記録(NYR)」の違いは?

A. 大会記録はその大会の歴代最高記録、U18日本記録は18歳未満の日本人選手が公認条件下で出した国内最高記録です。今回の13秒06は両方を同時に更新しました。

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