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RunMatch > コラム > 江口美玲 100mH U20日本選手権
陸上ニュース2026年10月4日

七種女王がハードル単独でも頂点——
江口美玲、U20日本選手権100mH 13秒27大会新・高校歴代2位【2026年】

2026年10月3日、静岡・草薙総合運動場陸上競技場で行われた第42回U20日本選手権の女子100mハードル決勝。今夏のインターハイで七種競技2連覇を果たした東海大相模高3年の江口美玲が、13秒27(+1.7)の大会新記録で優勝しました。高校歴代2位の好記録です。決勝には高校記録(13秒20)保持者の藤田紗季(敦賀高2)も出場しており、2位の嶋中心優(相洋高2)も13秒31の大会新。ハイレベルな一戦を混成競技の女王が制した中身を、公式記録と本人のコメントから読み解きます。

この記事でわかること

1U20日本選手権女子100mH決勝の結果——上位2人が大会新の接戦
2関東大会5位から七種競技2連覇へ——江口美玲の歩み
3七種競技の中で出した13秒28を、単独種目でも再現できた理由(考察)
4高校記録13秒20まで0秒07、高校女子ハードル界の今
13.27
江口美玲の優勝タイム
2026/10/3 決勝(+1.7)大会新
2位
高校歴代ランキング
高校記録は藤田紗季の13.20
5447点
インターハイ七種競技(2連覇)
高校歴代3位・2026年8月
公式記録

U20日本選手権 女子100mH決勝 上位5人と高校記録(+1.7)

高校記録(藤田紗季・参考)13.201位 江口美玲(東海大相模高3)13.272位 嶋中心優(相洋高2)13.313位 井上凪紗(青学大1)13.444位 藤田紗季(敦賀高2)13.495位 吉永優衣(長崎日大高3)13.56

※バーが短いほど速い記録(差を見やすくするため13秒07付近を起点に表示)。1位・2位はともに大会新記録。出典:第42回U20日本選手権 公式リザルト(日本陸上競技連盟)、高校記録は月刊陸上競技(月陸Online)

選手データ

江口美玲 高校3年間の主な成績

時期大会・種目成績
2024年6月(高1)関東高校大会 100mH5位
2025年5月(高2)神奈川県高校総体 100mH/七種競技13.86/4995点 W優勝
2025年夏(高2)インターハイ 七種競技優勝(2年時自己ベスト5323点)
2026年5月(高3)U20アジア選手権 七種競技途中棄権(ハムストリングス負傷)
2026年8月(高3)インターハイ 七種競技(100mHは13.28)5447点 2連覇
2026年10月3日(高3)U20日本選手権 100mH 決勝13.27 優勝・大会新

出典:神奈川県高等学校体育連盟 関東大会成績、タウンニュース(2025年5月)、月刊陸上競技(月陸Online、2026年8月・10月)、第42回U20日本選手権 公式リザルト

目次

  1. 決勝の結果——上位2人が大会新の接戦
  2. 関東5位から七種競技2連覇へ——江口美玲の歩み
  3. なぜ13秒27が出たのか(考察)
  4. 高校記録まで0秒07——高校女子ハードル界への意味
  5. 一般ランナーへのメッセージ
  6. よくある質問

①決勝の結果——上位2人が大会新の接戦

U20日本選手権は20歳未満の選手が争う全国大会で、高校生と大学1〜2年生が同じレースを走ります。女子100mHはシニアと同じ高さ(83.8cm)・間隔(8.5m)のハードルで行われ、2026年10月3日の大会初日に予選と決勝が実施されました。

江口は予選から好調で、追い風参考(+3.9)ながら13秒27をマークして決勝へ進出しました(月刊陸上競技)。決勝(+1.7)は3レーンからのスタート。隣の2レーンを走った嶋中心優(相洋高2)と競り合う形になり、江口が13秒27でフィニッシュ。嶋中が13秒31で続き、上位2人がそろって大会新記録となりました。3位は井上凪紗(青学大)の13秒44、高校記録保持者の藤田紗季(敦賀高2)は13秒49で4位でした(公式リザルト)。

レース後、江口は次のように話しています。

「ちゃんと自己ベストが更新できて、ちゃんと公認でも出せて良かったです」出典:月刊陸上競技(月陸Online)2026/10/3

POINT

13秒27は追い風1.7mの公認記録。8月のインターハイ七種競技の中で出した13秒28(高校歴代2位)を0秒01更新し、高校歴代2位の座を自ら塗り替えました。高校記録13秒20との差は0秒07です。

②関東5位から七種競技2連覇へ——江口美玲の歩み

江口は神奈川・東海大相模高の3年生。1年生だった2024年6月の関東高校大会では、100mHで5位に入っています(神奈川県高体連 公表成績)。2年生になった2025年5月の神奈川県高校総体では、100mHを13秒86、七種競技を4995点で制してW優勝。チームメイトで走高跳の全国女王・鴨田るなとともに、さらなる飛躍を誓っていました(タウンニュース)。

その夏のインターハイで七種競技を制覇し、2年時の自己ベストは5323点でした。しかし3年目の2026年は順調な滑り出しではありませんでした。5月のU20アジア選手権では七種競技の途中でハムストリングスを痛めて棄権。それでも南関東大会を4946点で制して全国への切符をつかみます(月刊陸上競技)。

迎えた8月の滋賀インターハイ七種競技。初日の100mHで13秒28(+0.2)の高校歴代2位をマークすると、走高跳1m70の自己ベストなどを積み重ね、5447点で史上6人目の2連覇を達成しました。得点は高校歴代3位、U18日本歴代2位。本人は「ここまで持ってこられたのは、すごく大きな一歩だと思っています」と振り返っています(月刊陸上競技、2026年8月)。今回のU20日本選手権は、その2か月後に単独種目の100mHで挑んだ全国大会でした。

③なぜ13秒27が出たのか(考察)

ここからは、公式リザルトと報道された事実を踏まえた筆者の考察です。

01

七種競技で鍛えられた「1本に集中する」力

七種競技の100mHは2日間・7種目の最初の1本で、やり直しがききません。インターハイでは、その一発勝負の舞台で13秒28を出していました。今回は予選・決勝の2本だけに集中できる条件で、混成の中で出していた記録をほぼそのまま再現しています。混成で培われた「限られた本数で力を出し切る」経験が、単独種目でも安定した走りにつながったと見られます。

02

スタート反応の改善

公式リザルトのリアクションタイムを見ると、予選0.184秒に対し決勝は0.168秒。約0.016秒の短縮です。タイム自体は予選・決勝ともに13秒27ですが、予選は追い風3.9mの参考記録で、決勝は1.7m。追い風が弱まる中で同じタイムを出せたのは、スタートを含む走りの中身が決勝で一段上がったためと考えられます。

03

隣のレーンに好敵手がいた展開

決勝では2レーンの嶋中心優(13秒31)が隣を走り、最後まで競り合う形になりました。ハードル種目は前半で並ばれると焦りからハードルに足をぶつけやすい一方、競り合いがリズムを引き上げることもあります。上位2人がそろって大会新となったことから、互いに引っ張り合ったレースだったと見られます。

※リアクションタイム・レーン・記録は第42回U20日本選手権 公式リザルトより。予選の風速は月刊陸上競技(月陸Online、2026/10/3)より。

④高校記録まで0秒07——高校女子ハードル界への意味

女子100mHの高校記録は、藤田紗季(敦賀高2)の13秒20です(月刊陸上競技)。今回の決勝には、その藤田に加え、13秒31をマークした高校2年の嶋中も出場していました。高校記録保持者と高2の新鋭、そして七種競技の女王がひとつのレースで争い、上位2人が大会記録を更新した事実は、高校女子ハードル界の層の厚さを示しています。

シニアでは、2026年9月の名古屋アジア大会で福部真子が金、中島ひとみが銀を獲得したばかり。日本の女子100mHは今、世界と戦える種目になりつつあります。次の世代でも13秒2台の争いが当たり前になれば、その流れはさらに太くなるはずです。江口は今後について「七種でもハードルでも勝てるんだぞという強さをみせたい。自己ベストはもちろん、高校新も狙っていきたいです」と語っています(出典:月刊陸上競技、2026/10/3)。

⑤一般ランナーへのメッセージ

ケガで棄権した春から、夏の2連覇、秋の大会新へ。江口の1年は、つまずいても積み重ねを続けることで記録が戻り、さらに伸びていくことを示しています。そして決勝では、隣を走るライバルの存在が記録を押し上げました。市民ランナーでも、一緒に走る仲間がいると、ペースを引き上げ合い、続ける力が自然と湧いてきます。

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よくある質問

Q. U20日本選手権とはどんな大会ですか?

A. 日本陸上競技連盟が主催する、20歳未満の選手による全国大会です。高校生と大学1〜2年生が同じ種目で争います。2026年の第42回大会は10月3日〜4日に静岡・草薙総合運動場陸上競技場で行われました。

Q. 女子100mHの高校記録は?

A. 藤田紗季選手(敦賀高)の13秒20です。江口美玲選手の13秒27は高校歴代2位にあたります。

Q. 七種競技とはどんな種目ですか?

A. 女子の混成競技で、1日目に100mH・走高跳・砲丸投・200m、2日目に走幅跳・やり投・800mの計7種目を行い、各種目の記録を得点に換算した合計で順位を争います。

Q. 「追い風参考記録」とは何ですか?

A. 100mHなどの短距離・跳躍種目では、追い風が秒速2.0mを超えると記録が公認されません。その場合の記録は参考記録扱いとなり、自己ベストや歴代記録には含まれません。

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