わずか1投で7m77——
北口榛花、ブダペストで日本新68m92の世界一奪還【2026年】
2026年9月12日、新設大会「世界アルティメット選手権」(ハンガリー・ブダペスト)の女子やり投で、北口榛花(JAL)が68m92の日本新記録を樹立して優勝しました。1投目は61m15にとどまりましたが、続く2投目でいきなり7m77も記録を伸ばして逆転。2023年に自身が樹立した67m38を1m54更新し、世界歴代10位タイという歴史的な一投になりました。舞台となったブダペストは、北口が2023年世界選手権で初めて世界一に輝いた思い出の地でもあります。
この記事でわかること
北口榛花 2026年シーズンの記録推移
出典:日本陸上競技連盟・World Athletics・共同通信・AFP・月刊陸上競技
①ブダペストで何が起きたか
2026年9月11〜13日、ハンガリー・ブダペストで新設された「世界アルティメット選手権」。総額1000万ドルという過去最高規模の賞金をかけ、381人の選手が出場したこの大会は、通常の6投ではなく最大4投までという特別ルールで行われました。9月12日に行われた女子やり投決勝では、18歳の新星・厳子怡(中国)が1投目に68m05を投げて先制。今季すでに71m74(世界歴代2位)を記録している勢いのある相手に対し、北口榛花の1投目は61m15にとどまり、この時点では3位という苦しい立ち上がりでした。
流れが変わったのは2投目。北口は「やりの向きと自分の向きを合わせるように」との指示を意識して投げ直すと、一気に68m92をマーク。7m77もの上積みで厳子怡を0.87m上回り、そのまま優勝を決めました。この記録は自身が2023年に樹立した日本記録67m38を1m54更新するもので、世界歴代10位タイ、アジア歴代2位という価値ある一投になりました。初代女王に輝いた北口には、優勝賞金15万ドル(約2300万円)が贈られています。
POINT
北口は優勝後、「めちゃくちゃ嬉しいのと、残りの2投はもうちょっとちゃんと投げたかったなっていう気持ちです」「まだ完璧じゃないと思っているので、また、より先を目指したいと思います」とコメント(月刊陸上競技)。自己ベストを大幅に更新してなお満足していない発言から、さらなる上積みへの意欲がうかがえます。
②北口榛花のこれまでの歩み
北口榛花(JAL)は2022年世界選手権(オレゴン)で最終投擲の63m27により銅メダルを獲得し、投てき種目での日本女子初のメダリストとなりました。翌2023年世界選手権(ブダペスト)では最終6投目に66m73の大逆転で金メダルを獲得。同年9月のダイヤモンドリーグ・ブリュッセル大会では自己ベスト・日本記録となる67m38をマークし、2024年パリオリンピックでは決勝1投目の65m80で優勝、日本女子史上初のフィールド種目オリンピック金メダリストになりました。
しかし2025年、地元開催の世界陸上東京では女子やり投予選で60m38にとどまり14位で予選敗退。連覇を目指した母国開催の大舞台を決勝進出すらできない結果で終え、右肘の故障もあってシーズン中盤には離脱を余儀なくされました。
2026年シーズンは、今年から新たに男子やり投世界記録保持者でオリンピック3連覇のヤン・ゼレズニー氏を指導者に迎え、フォームを一から作り直すところから再スタート。6月の日本選手権を2年ぶりに制すと、DLパリで63m01・3位、DLローザンヌで64m80をマークして1年2ヵ月ぶりのダイヤモンドリーグ優勝。9月5日のDLファイナル(ブリュッセル)では1投目の64m56で2027年世界選手権(北京)の参加標準記録63m40を突破し、65m44で2位に入りました。そして迎えた今回の世界アルティメット選手権で、ついに日本記録を更新する68m92に到達。予選敗退からわずか1年余りで、自身の最高記録を大きく塗り替える結果に結びつけました。
③なぜ1投で7m77も伸びたのか(考察)
ここからは公式発表の事実を踏まえた上での考察です。1投目と2投目の間でわずか7m77もの差が生まれた背景には、複数の要因が重なったと見られます。
ゼレズニー氏との1投単位の技術修正力
北口自身が「1投目は斜めに飛んでいったので、やりの向きと自分の向きを合わせるように言われて臨みました」と明かしている通り、1投目の課題をその場でコーチから修正指示を受け、次の投擲に反映できたことが劇的な記録差につながったと見られます。フォームを一から作り直す指導を受けてきたからこそ、試合中でも即座に修正できる技術的な引き出しが増えていた可能性があります。
直前のDLファイナルで積み上げた実戦感覚
1週間前のDLファイナルで自身の今季ベストとなる65m44をマークし、上昇機運の中で本大会に臨んでいました。すでに来年の世界選手権標準記録を突破し順位を追求できる状態にあったことが、今大会でも「記録を出しにいく」意識を後押ししたと考えられます。
18歳の新鋭に先行された緊張感
1投目で厳子怡に先行され3位に沈んだことは、北口にとって決して楽な展開ではありませんでした。今季すでに71m74を投げている勢いのある18歳を相手に「やっぱり勝ちたい」という気持ちが強く働き、集中力が研ぎ澄まされた状態で2投目に臨めたことが、自己ベストを大きく超える一投を引き出した可能性があります。
④日本の投てき界への影響・意義
オリンピック金メダリストであっても世界選手権で予選敗退する厳しさを味わった北口が、1年余りで自己記録を1m54も更新したことは、日本の投てき種目にとって大きな意味を持ちます。すでに2027年世界選手権(北京)の参加標準記録も突破済みで、来月には愛知・名古屋アジア競技大会も控えており、世界歴代10位タイの記録を引っさげて臨む今後のシーズンにさらに注目が集まります。
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よくある質問
Q. 北口榛花のブダペストでの記録・順位は?
A. 2026年9月12日、世界アルティメット選手権(ブダペスト)女子やり投で68m92の日本新記録・優勝でした。2位は厳子怡(中国)68m05。
Q. 日本記録はどれくらい更新したのですか?
A. 自身が2023年に樹立した67m38から1m54更新しました。世界歴代10位タイ、アジア歴代2位の記録です。
Q. 世界アルティメット選手権とはどんな大会ですか?
A. 2026年に新設された大会で、総額1000万ドルの賞金をかけ381人の選手が出場。通常6投のところ最大4投までという特別ルールで行われました。
Q. 2027年世界選手権の出場権はすでにあるのですか?
A. はい。9月5日のDLファイナルの1投目(64m56)で北京2027世界選手権の参加標準記録63m40をすでに突破しています。
Q. 陸上未経験でもRunMatchで仲間は探せますか?
A. はい。競技志向の練習相手からゆるく走りたい方まで、目的やレベルに合わせて仲間・友達を探せます。
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