「跳べちゃった」で日本新——諸田実咲、
技術修正の途中でつかんだ4m51【2026年】
2026年9月12日、京都・たけびしスタジアムで行われた第74回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会の女子棒高跳。諸田実咲選手(アットホーム)が4m51をクリアし、自身が持つ日本記録を1cm更新して優勝しました。本人いわく、この日は記録を狙うつもりすらなく「助走や踏み切りの修正」が目的の一戦だったといいます。なぜ記録を意識しない試合で日本新記録が生まれたのか、その舞台裏を紹介します。
この記事でわかること
諸田実咲選手 棒高跳 日本記録の推移
出典:月刊陸上競技・共同通信・スポニチアネックス配信記事(Yahoo!ニュース)、日本陸上競技連盟公式サイト
①大会結果の詳細と跳躍展開
2026年9月11〜13日、京都・たけびしスタジアム京都で開催された第74回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会。9月12日の女子棒高跳決勝で、アットホーム所属の諸田実咲選手は4m00を1回目、4m20をポールの流れや踏み切りの乱れに苦しみながらも3回目に成功。大会記録となる4m35を1回目でクリアすると、バーは自身の持つ日本記録と同じ4m50へ。そして4m51に上げた一本を1回目であっさりと越え、日本新記録での優勝を決めました。
記録更新後は勢いに乗り、自身初となる4m61にも挑戦。3回目の試技でバーの上を通過したものの、直後にバーが落下し記録とはなりませんでした。この日使用したポールは14フィート155ポンド。競技後には「もうちょっとしっくりくる理想の動きができれば4m60オーバーが見えました」と手応えを語っています(コメントは月刊陸上競技配信記事より引用)。
POINT
諸田選手は記録更新について「今日は課題にしていた助走や踏み切りを修正しようという目的で出場したので、まさかここまで記録が出るとは思わなかったのでビックリしています」とコメント。4m51クリア後も「踏み切りや助走はそこまで良くなかった」としつつ「あんな感じで跳べちゃった」と振り返っています(コメントは月刊陸上競技配信記事より引用)。
②諸田選手のこれまでの歩み
諸田実咲選手は1998年10月6日生まれ、群馬県邑楽郡大泉町出身。群馬県立太田女子高等学校を経て中央大学法学部に進学し、卒業後は栃木県スポーツ協会のスポーツ専門員を務めた後、2023年4月からアットホームに所属しています。日本選手権では2021年・2023年・2024年に優勝し、世界選手権(2025東京)、アジア大会(2023杭州)、アジア選手権(2023バンコク、2025クミ)と、国内外の主要大会に出場してきました。
日本記録の更新は今回で4度目です。2023年4月、中央大学・日本体育大学の定期対抗戦で4m41をクリアし自身初の日本新記録を樹立。同年10月のアジア大会(杭州)では4m48まで記録を伸ばし、日本記録更新と同時に銀メダルを獲得しました。その後およそ2年半、記録は4m48・4m50(2026年5月・木南記念)と足踏みが続きましたが、今回の4m51でさらに記録を伸ばしました。
直近の状態は決して順調ではありませんでした。8月下旬に臨んだヨーロッパ遠征2試合では4m22、4m25にとどまり、「自分の作りたい動きができなかった」と本人が振り返るように、気持ちが落ち込む時期もあったといいます。そこから帰国後に取り組んだのが、助走時に足を真下に下ろす感覚を修正するという地道な技術調整でした。
③なぜこの記録が生まれたのか(考察)
ここからは公式記録と本人コメントの事実を踏まえた上での考察です。記録を狙わない試合で日本新記録が生まれた理由を、棒高跳という種目の特性から分析します。
「記録を狙わない」意識が結果的に脱力を生んだと見られる
棒高跳は助走から踏み切り、ポールの曲げ込み、振り上がりまで一連の動作をリラックスした状態で連動させる必要がある種目です。諸田選手は「まさかここまで記録が出るとは思わなかった」と語っており、記録更新へのプレッシャーがない状態で試技に臨んだことが、結果的に力みのないスムーズな一連動作につながった可能性があります。
あえて軽いポールを使う調整が、クリーンな試技を後押ししたと見られる
諸田選手は当日、本命であるアジア大会で使いたいという160ポンドより軽い14フィート155ポンドのポールを使用しました。より重い・硬いポールを曲げ込むには高い出力が必要になる一方、扱いやすいポールでの試技は技術の再現性を高めやすく、助走・踏み切りの修正という当日の目的とも合致します。結果として無理のない力加減で4m51まで到達できたと考えられます。
8月の不振を経て、結果よりプロセスに向き合ったことが土台にあると見られる
8月下旬のヨーロッパ遠征で4m22・4m25と記録が伸び悩み「気持ちが落ち込んだ」と語っていた諸田選手にとって、この日は記録更新ではなく「助走時に足を真下に下ろす」という具体的な技術課題に集中する試合でした。結果を追い求めず基礎動作の修正に徹したことが、かえって最も効率の良い跳躍を引き出したと見ることができます。
④日本女子棒高跳界への意義
女子棒高跳がアジア大会の正式種目となった2002年の第14回大会以降、この種目は中国が6大会連続で優勝を続けています。2023年の杭州大会で銀メダルを獲得した諸田選手にとって、9月25日に開幕する名古屋アジア大会は自国開催という大きなアドバンテージのもとで、この連覇を止める機会となります。
2023年に自身初の日本新記録を樹立して以来、諸田選手はおよそ3年で日本記録を4度更新し、4m41から4m51まで記録を伸ばしてきました。単独の日本記録保持者としてコツコツと記録を積み上げてきたその歩みは、他種目と比べて選手層が厚いとは言えない日本の女子棒高跳において、記録の天井を着実に押し上げてきた歴史そのものといえます。
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よくある質問
Q. 諸田実咲選手の日本新記録はどのくらいの記録ですか?
A. 2026年9月12日、第74回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会の女子棒高跳で4m51をクリアし、自身が持つ日本記録(4m50)を1cm更新しました。
Q. 諸田選手はこれまで何度日本記録を更新していますか?
A. 今回で4度目です。2023年4月に4m41で初の日本新記録を樹立し、同年10月のアジア大会(杭州)で4m48、2026年5月の木南記念で4m50、そして今回4m51まで記録を伸ばしています。
Q. なぜ記録を狙わない試合で日本新記録が生まれたのですか?
A. 本人は助走や踏み切りの技術修正が目的で出場したとコメントしています。記録更新へのプレッシャーがない中で力みのない跳躍ができたことが要因の一つと考えられます(考察)。
Q. 名古屋アジア大会の女子棒高跳はいつ開催されますか?
A. 2026年9月25日開幕予定です。中国が2002年の種目採用以来6大会連続優勝しており、諸田選手は自国開催のこの大会で連覇阻止を狙います。
Q. RunMatchで目標を持って走る仲間も探せますか?
A. はい。競技志向でタイムや記録を追い求める仲間から、健康目的で楽しく走りたい方まで、目的やレベルに合わせて仲間・友達を探せます。
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