1年生3人で学生タイ38秒45——
東洋大、日本選手権リレー4×100mR初優勝の理由【2026年】
2026年10月11日、国立競技場(MUFGスタジアム)で行われた第110回日本選手権リレー男子4×100mR決勝で、東洋大学が38秒45をマークして初優勝しました。日本学生記録に並ぶタイムで、大会新記録。走ったのは2走の中村大空選手を除く3人が1年生という若いチームです。わずか1ヵ月前の日本インカレの優勝タイム(39秒04)から0秒59も縮められた理由を、決勝の結果とともに陸上競技目線で読み解きます。
この記事でわかること
第110回日本選手権リレー 男子4×100mR 決勝(秒)
出典:月刊陸上競技「【大会結果】第110回日本選手権リレー(2026年10月10日~11日)」。棒の長さは39秒80を基準にした速さの差を表示
東洋大 男子4×100mR 2026年秋のタイム推移
| 大会・ラウンド | 走順 | タイム |
|---|---|---|
| 日本インカレ 予選(9/5) | — | 38秒78 |
| 日本インカレ 決勝(9/6) | 北村-大石-山本-山田 | 39秒04(優勝) |
| 日本選手権リレー 予選(10/10) | — | 38秒92 |
| 日本選手権リレー 決勝(10/11) | 北村-中村-安川-山田 | 38秒45(優勝) |
出典:日本学生陸上競技連合 公式記録、月刊陸上競技、THE ANSWER(2026年10月11日配信)。予選の走順は未確認のため省略
①決勝の結果詳細——上位3チームが大会新
第110回日本選手権リレーは2026年10月10日〜11日に国立競技場で開催されました。大会2日目の11日に行われた男子4×100mR決勝で、東洋大(北村仁一朗-中村大空-安川飛翔-山田吾愛仁)が38秒45で優勝。日本学生記録に並ぶタイムで、大会新記録です。東洋大にとっては日本選手権リレーのこの種目で初めてのタイトルとなりました。
レースはアンカー勝負までもつれ込み、山田選手が中大を抑えてフィニッシュ(THE ANSWER報)。2位の中大は38秒49で学生歴代3位、3位の大東大は38秒66で学生歴代7位と、上位3チームがそろって大会記録を上回るハイレベルな決勝でした。4位は早大(38秒83)、5位には高校生チームの洛南高(京都、39秒25)が入っています。
POINT
日本学生記録の38秒45は、2024年の日本インカレで早稲田大がマークしたもの。東洋大は同じ大会で記録したチーム記録を0秒02更新し、学生記録保持者に名を連ねました(月刊陸上競技報)。
②1年生3人の走順と、インカレからの変化
9月の日本インカレで優勝したときは、1年生2人(1走・北村、4走・山田)と4年生2人(2走・大石凌功、3走・山本嶺心)という構成でした。今回は2走と3走を入れ替え、2走の中村選手以外を1年生でそろえています。
北村仁一朗(1年)
日本インカレに続いて1走を担当。レース後は「少し届かなかったけど、こうして金メダルを取れたことはうれしく思う」と、学生新記録に届かなかった悔しさと優勝の喜びを語りました(THE ANSWER)。
中村大空
メンバーで唯一の上級生。チームとして学生記録を目標に掲げていたことを明かし、「初のライオンメダル(日本選手権者に贈られるメダル)を取れたところはうれしいです」とコメント(月刊陸上競技)。一方で「まだ1-2走のところとか完全な状態ではない」と、バトンパスの課題にも触れています(THE ANSWER)。
安川飛翔(1年)
日本インカレ決勝のメンバーには入っていなかった1年生。「あと100分の1秒、惜しいところまで来られた」と、学生新記録まで0秒01に迫ったことへの悔しさをにじませました(THE ANSWER)。
山田吾愛仁(1年)
兵庫・八代高出身で、高校時代の100mベストは10秒39。インカレに続いてアンカーを務め、競り合いを制しました。「予選は全然良くなかったけど、監督やコーチとしっかり話し合って今日はいい走りができました」と振り返っています(月刊陸上競技)。
③なぜ1ヵ月で0秒59縮められたのか(考察)
ここからは、公式結果と報道された事実をもとにした考察です。インカレ決勝の39秒04から、今回の38秒45へ。リレーで0秒59の短縮は、距離に換算すると約6m分に相当する大きな差です。
インカレ決勝は「守りのバトン」だった可能性
日本インカレ決勝では8チーム中3チームがバトンパスの失敗で失格となりました。東洋大の決勝タイム(39秒04)が予選(38秒78)より遅かったことを踏まえると、決勝では確実にバトンをつなぐことを優先していたと見られます。今回は予選38秒92から決勝で0秒47上げており、決勝で攻めたバトンワークができたことが大幅短縮の一因と考えられます。
1・4走の1年生が経験値を積んだ
北村選手と山田選手は、インカレ決勝と同じ1走・4走を担当しました。大舞台を同じポジションで一度経験したことで、スタートやバトンを受ける動作に余裕が生まれたと見られます。山田選手は予選の走りを監督・コーチと修正したと話しており、ラウンド間の修正力も光りました。
国立競技場という舞台と、競り合う相手の存在
2位の中大とは0秒04差、3位の大東大まで含め3チームが大会新という接戦でした。短距離は並走する相手がいる方が記録が出やすいと言われ、ハイレベルなライバルがそろったことがタイムを押し上げた面もあると考えられます。なお、当日の風速など気象条件の公式データは確認できていないため、ここでは評価に含めていません。
④大学短距離界への意義
今回の決勝では、東洋大・中大・大東大の3校が38秒6台以内に入り、学生歴代上位のタイムが一度に並びました。日本インカレからわずか1ヵ月で、大学のリレーチームがここまでタイムを伸ばしたことは、大学短距離界の層の厚さを示しています。
とくに東洋大は主力の多くが1年生で、来シーズン以降もほぼ同じメンバーで戦える可能性があります。3走の安川選手は、今回の悔しさを冬季練習の目標にして来年の学生記録更新を目指す考えを示したと報じられており、38秒45という壁が来季に破られるかどうかが注目されます。高校生チームの洛南高が39秒25で5位に入ったことも、次の世代の厚みを感じさせる結果でした。
⑤リレーに刺激を受けたランナーへ
4人のタイムがそのまま足し算になるわけではなく、バトンパスや息の合い方で結果が大きく変わるのがリレーの面白さです。一人で走るときより、仲間と一緒に走るときの方がペースが上がった経験がある方も多いのではないでしょうか。
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よくある質問
Q. 2026年の日本選手権リレー男子4×100mRの優勝チームは?
A. 東洋大学(北村仁一朗-中村大空-安川飛翔-山田吾愛仁)が38秒45で優勝しました。日本学生記録タイ・大会新記録です。
Q. 日本学生記録は更新されましたか?
A. 更新ではなくタイ記録です。日本学生記録38秒45は2024年日本インカレで早稲田大が樹立したもので、東洋大はこれに並びました。
Q. 「ライオンメダル」とは何ですか?
A. 日本選手権の優勝者に贈られるメダルの愛称です。東洋大の中村選手が「初のライオンメダル」と喜びを語っています。
Q. 日本選手権リレーにはどんなチームが出場しますか?
A. 大学・実業団・高校など所属の枠を超えたチームが出場します。2026年の男子4×100mR決勝では、高校生の洛南高が5位に入りました。
参考:月刊陸上競技「【大会結果】第110回日本選手権リレー」「東洋大が男子4×100mリレーで初優勝!1年生3人のオーダーで学生タイ38秒45」、THE ANSWER「陸上400mリレー日本一が決定!」(いずれも2026年10月11日)
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