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RunMatch > コラム > 矢野夏希 日本インカレ走高跳
陸上ニュース2026年9月10日

「就職」より跳びたかった——矢野夏希、
9年守られた早大記録を1cmだけ更新した最後の秋【2026年】

2026年9月5日、日産スタジアムで行われた日本インカレ女子走高跳決勝。早稲田大学4年の矢野夏希選手が1m84の自己新記録をマークし、2年ぶり2度目の優勝を飾りました。この記録は2017年から9年間破られなかった早稲田大学記録をわずか1cm更新するもの。進学校出身で「普通に就職」も考えていた彼女が、競技を続けると決めた転機と、記録が伸びた理由を紹介します。

この記事でわかること

1決勝の跳躍展開と1m84に至るまでの経緯
2進学校出身の矢野選手が競技を続けると決めた転機
3高校2年から積み上げてきた自己ベストの推移
4なぜこのタイミングで自己新・早大新が生まれたのか(考察)
1m84
自己新記録で日本インカレ2度目の優勝
2026/9/5 決勝
1cm
2017年から9年間守られた早大記録との差
旧記録1m83(仲野春花氏)
8位タイ
1m84は学生歴代の記録順位
学生歴代8位タイの好記録
公式記録

矢野夏希選手 走高跳 自己ベストの推移

高2 愛知県高校選手権(2位)1m61高2 東海高校選手権(優勝)1m68高3 全国高校総体(8位)1m70大学2年 日本インカレ(初優勝)1m76大学3年 静岡国際(自己新)1m79大学4年 日本インカレ(今回・自己新・早大新)1m84

出典:月陸Online「第95回日本インカレ」大会結果・関連記事、THE ANSWER配信記事

目次

  1. 決勝の結果詳細と跳躍展開
  2. 進学校出身、競技を続けると決めた転機
  3. なぜこのタイミングで自己新が生まれたのか(考察)
  4. 学生女子走高跳界への意義
  5. よくある質問

①決勝の結果詳細と跳躍展開

2026年9月5日、神奈川・日産スタジアムで行われた第95回日本インカレ(日本学生陸上競技対校選手権)女子走高跳決勝。早稲田大学4年の矢野夏希選手は、勝負どころとなった1m81を2回目の跳躍で成功させ、優勝を決定づけました。その後、バーを1m84に上げると3回目のトライでクリア。自己ベストを更新しての優勝となりました。

矢野選手は跳躍について「高さも感じたのですが、1回目はとにかくスピードを出して突っ込んでみました」と振り返っています。バーに一度ぶつかったことで感覚をつかみ、そこから修正して成功に結びつけたといいます(コメントは月陸Online配信記事より引用)。

1m84は矢野選手自身の自己新記録であるとともに、学生歴代8位タイの好記録。さらに、2017年に仲野春花氏(早稲田大学、当時)が跳んだ1m83の早稲田大学記録を1cm更新するものでした。9年間守られてきた記録がこの日、塗り替えられたことになります。

POINT

矢野選手は「去年は試技数差で負けて2位だったので絶対に勝ちたいと思っていた」とコメント。前年の悔しさをバネにした2年ぶりの優勝でした。

②進学校出身、競技を続けると決めた転機

矢野選手は愛知県の進学校・時習館高校出身。同期には東京大学に進学した生徒もいる学業重視の環境で、高校2年の愛知県高校選手権では2位・1m61、東海高校選手権では優勝し1m68。高校3年の全国高校総体(インターハイ)では8位・1m70という成績を残し、一般入試で早稲田大学に現役合格しました。

大学2年時、前の大会で「記録なし」という結果を経験した矢野選手は、そこから1年で第93回日本インカレを1m76で初優勝。早慶戦でも同じ1m76の自己新をマークしました。教職免許の取得も進めており、「普通に就職」する未来も具体的に考えていたといいます。

転機になったのは大学3年の春、静岡国際で跳んだ自己ベスト1m79でした。この跳躍の感覚に「もうちょっと頑張ってみたいな」と感じたことが、就職ではなく競技を続ける決意につながったと本人は振り返っています。矢野選手は「高跳びがずっと好きで、勉強も好きでどっちも諦めたくなかった」とコメント(コメントはTHE ANSWER配信記事より引用)。同じ3年時の第94回日本インカレでは試技数差で2位となり、悔しさを味わいました。

矢野選手が目標にしていたのは、憧れの先輩である仲野春花氏が持つ早稲田大学記録の1m83。仲野氏は現役時代、けがを乗り越えて跳ぶ姿が印象的な選手だったといい、矢野選手は「あの体であんなに走ってきて、あんなに軽やかに跳ぶ。その跳躍がすごく印象的で、私も目指したいと思いました」と語っています。大学4年、最後の日本インカレでその記録を1cm上回る1m84をクリア。会場で見守っていた仲野氏も、その瞬間に喜びの涙を見せたといいます。

③なぜこのタイミングで自己新が生まれたのか(考察)

ここからは公式記録と本人コメントの事実を踏まえた上での考察です。大学4年・最後の日本インカレというタイミングで自己新記録が生まれた理由を、陸上競技目線で分析します。

01

前年の悔しさが「絶対に勝つ」という集中力を生んだと見られる

前年の日本インカレを試技数差で落とした経験から、今回は「絶対に勝ちたい」という強い意識で入ったと本人が明言しています。優勝がほぼ決まる1m81を落ち着いて2回目に決めきったことは、目標を1m84単独ではなく「まず勝つ」ことに定めた戦略が奏功した結果と見られます。

02

1回目の失敗を修正材料にできる跳躍感覚の高さ

本人は「1回目はとにかくスピードを出して突っ込んでみました」とコメントしており、バーに触れた失敗を次の跳躍の修正点として即座に活かせたことがうかがえます。1m79から1m84までの5cmを大学3年から4年の1年強で詰めてきた助走・踏切のスピード強化が、この修正力の土台になっていると考えられます。

03

「両立」という制約が生んだ計画的な伸び方

高校2年の1m61から大学4年の1m84まで、5年強で23cm。数字だけを見れば決して急激な伸びではありませんが、勉強と競技の両立を続けながら記録なしの時期も乗り越えて段階的に記録を伸ばしてきたことは、無理な負荷をかけず着実に積み上げてきたことの表れとも言えます。憧れの先輩の記録という具体的な目標があったことも、最後まで挑戦を続ける原動力になったと見られます。

④学生女子走高跳界への意義

矢野選手の1m84は本人も「まだ世界で戦えない」と語る記録ですが、学生歴代8位タイという高い水準にあります。2017年から9年間更新されなかった早稲田大学記録がこのタイミングで塗り替えられたことは、伝統ある強化ポイントである同大学の女子走高跳が、世代を経てさらに層を厚くしていることを示す出来事といえます。

進学校出身で「普通に就職」という選択肢も十分にあった中で、記録なしという結果を経験しながらも競技を続け、最後の年に自己新で頂点に立った矢野選手の歩みは、学業と競技を両立する多くの学生アスリートにとって一つのモデルケースになるはずです。

就職か競技継続か、進学校出身か強化指定校出身かに関わらず、「もうちょっと頑張ってみたい」という一つの跳躍から道が開けた矢野選手の姿に刺激を受けた方へ。RunMatchなら、同じように目標を持って走る仲間を見つけられます。

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よくある質問

Q. 日本インカレ女子走高跳の優勝記録は?

A. 2026年9月5日、早稲田大学4年の矢野夏希選手が1m84の自己新記録で優勝しました。2年ぶり2度目の優勝です。

Q. 1m84はどのくらいの記録ですか?

A. 学生歴代8位タイの好記録です。また、2017年に仲野春花氏が跳んだ早稲田大学記録の1m83を1cm更新する記録でもあります。

Q. 矢野選手はなぜ競技を続けることを決めたのですか?

A. 大学3年の春、静岡国際で自己ベスト1m79を跳んだ際の感覚から「もうちょっと頑張ってみたい」と感じ、進学校出身で考えていた就職ではなく競技継続を決意したと本人が語っています。

Q. 矢野選手の出身高校はどこですか?

A. 愛知県の進学校・時習館高校出身です。高校2年で1m61(愛知県高校選手権2位)、高校3年の全国高校総体で1m70(8位)を記録しています。

Q. RunMatchで目標を持って走る仲間も探せますか?

A. はい。競技志向でタイムや記録を追い求める仲間から、健康目的で楽しく走りたい方まで、目的やレベルに合わせて仲間・友達を探せます。

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